BIEは、オーストラリア・シドニーのCentre for Innovative Medical Research(CIMR)が立ち上げた教育プログラムです。CIMRのMichael Wallach教授とIsabella Hajduk博士は10年以上にわたり、基礎研究と事業化の橋渡しを担う若手研究者を育成しています。 Wallach教授は15年以上にわたり国際的なBIEプログラムを主導し、その成果は世界的に高く評価されています。
BIEプログラムは約2週間の集中コースとして開発され、その後、毎年開催されるSPARK Global会議と連携して実施されるほか、シドニー工科大学の修士課程向けにも再構築されています。
BIE Japan Workshopは、BIEプログラムを基盤としつつ、SPARK Globalの強みも取り入れ、日本に特化したバイオメディカル・アントレプレナーシップのために独自に設計されたものです。本ワークショップでは、研究者、医療従事者、ビジネスイノベーターが実践的かつ学際的な環境に集います。
プログラムは英語で実施され、デザイン思考、製品開発、トランスレーショナル戦略の実践的トレーニングを提供し、研究室での発見を現実社会の応用へと加速させる力を参加者に身につけることができます。

小栁智義
京都大学医学部附属病院 先端医療研究開発機構(iACT)
ビジネスディベロップメント室 室長
特定教授
基礎医学研究は、生命現象の根源的課題に挑み、科学的真理の探究を目指す学問です。その成果はしばしば予期せぬかたちで新たな医療ニーズに応用され、未解決の臨床課題に対して革新的な解決策をもたらす可能性を秘めています。
SPARK GlobalおよびCIMRは、10年以上にわたり世界各地のトランスレーショナルリサーチの現場において、医療課題の解決に挑む研究者を支援してきました。製品開発の過程では、基礎科学のみならず、知的財産戦略、非臨床・臨床試験設計、規制科学、事業開発など、極めて幅広く高度な専門性が求められます。さらに大学発技術の事業化には、資金調達の難易度や開発リスクに固有の障壁が存在します。
こうした複合的課題に対応するため、私たちはデザイン思考や創造的課題解決の手法を取り入れ、製品開発プロセスから商業化戦略に至るまでを体系的に学ぶ教育プログラムを構築しました。本プログラムは、日本におけるアカデミア発イノベーションに最適化された実践的モデルとなっています。
BIE Japanは、研究者およびその支援者に対し、バイオメディカル分野に不可欠な創造性と革新力、そしてトランスレーショナルリサーチを推進するための実践的スキルと体系的知識を提供してまいります。
BIE Japan Workshop(京都、2025年6月28〜30日)
Supported by SPARK Global and KSAC (Kansai Startup Academia Coalition)